補助金で機械は入れた。でも人件費が足りない──2025年制度が変えた経営の順番とは?
「ものづくり補助金に採択されたけど、3%の給与アップって…うちはどこから原資を出せばいいの?」
最近、八王子や多摩エリアの製造業社長からこんな声が相次いでいます。
設備投資は補助金でまかなえても、人件費は原則“自己資金”。
しかも今の補助金制度、多くが「給与支給総額を〇%以上アップ」という要件つきです。
2025年補助金制度は「賃上げ義務」が前提です
以下は2025年公募で明示された主な補助金・助成金制度と「賃上げ関連要件」です:
制度名 | 公募主体 | 賃金要件 |
---|---|---|
ものづくり補助金 | 経産省 | 給与総額 年+2%以上、最低賃金+30円以上 |
事業再構築補助金 | 経産省 | 給与総額 年+2%以上(加点申請で+3%以上) |
新事業進出補助金 | 経産省 | 給与総額+2.5%、最低賃金+30円、一人当たり給与の伸び率条件 |
IT導入補助金(150万円超) | 経産省 | 給与総額+1.5%、最低賃金+30円 |
持続化補助金〈賃上げ枠〉 | 経産省 | 最低賃金+50円以上(交付決定前) |
東京都助成金(新製品技術開発・基盤強化) | 東京都中小企業振興公社 | 給与総額+2%、最低賃金+30円 |
「先に成果」ではなく「先に賃上げ」時代へ
粗利が上がる前に、人件費だけが先に増える。
この“逆ザヤ構造”が、補助金活用後に起きる最大のリスクです。
だからこそ、「助成金×経営設計」が必要
たとえば…
- 業務改善助成金:時給30円以上アップで最大600万円
- 東京都公社助成金:賃上げ実施で助成率最大4/5に優遇
これらを「人への投資の原資」として活用しながら、補助金と組み合わせて使うことで、
逆ザヤを防ぎ、成長投資の循環がつくれます。
V-I-Eメソッド:経営に落とし込むための3ステップ
私たちは、制度をつなぎ、現場に定着させるための思考ツールとして、次の3ステップを提案しています:
- V:Vision=目的を決める(なぜやるのか)
- I:Investment=道具をそろえる(補助金で投資)
- E:Execution=続ける仕組みをつくる(誰がいつどう動くか)
補助金と助成金を「つかう道具」として並べるだけでなく、
その後の経営がうまくいくように設計する。
それがV-I-Eメソッドの役割です。
補助金は“もらう制度”じゃない。経営を動かす“設計図”だ。
給与を上げても大丈夫な経営設計──それが、これからの補助金活用には欠かせません。
私たちアップシフト合同会社では、制度選びから設計・運用まで一貫してサポートしています。
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