「いつもの取引先が急に発注を減らしてきた」
「今月の売上、まだ目処が立っていない」
そんな声が八王子の製造業の現場から、私たちのもとにも届いています。
特にBtoB取引に特化している企業ほど、業界の波や仕入先の都合に左右されやすく、
“自分たちの力ではどうしようもない”と感じている方も多いのではないでしょうか。
でも本当に、打ち手はないのでしょうか?
今、補助金を使って「自社の営業体制」「見込み顧客の獲得」「新製品プロモーション」に取り組む企業が、
受注不安から抜け出しはじめています。
今回のコラムでは、八王子市の製造業出荷額上位企業が動き始めた「補助金×販路開拓」の最新戦略と、
採択された中小製造業の成果事例を紹介します。
なぜ受注が不安定になるのか?
八王子の製造業は、電気機器や機械部品といった中堅企業が多く、取引の8割以上が法人向けです。
そのため、
「元請けの景気や判断」で注文が左右されやすいのが現実です。
これまでは長年の信頼関係や品質で受注が継続していましたが、
2024年以降は以下のような背景で変化が起きています。
- 大手の発注見直し(コスト削減)
- 海外製品との競合激化
- 営業人材の不足による新規顧客開拓の停滞
このままでは、既存受注の「穴」を埋めるすべが見つからず、売上が不安定化するリスクが高まります。
補助金を使って「営業力」「発信力」を高める
そんな中、多くの製造業が活用し始めているのが
「小規模事業者持続化補助金」や「省力化投資補助金」です。
この補助金では、以下のような「営業基盤づくり」に活用できます。
- 見込み顧客向けのカタログ・パンフレット作成
- ホームページ刷新・動画制作による自社PR
- 展示会出展・DM・MEO対策などの販促活動
例えば、「持続化補助金〈一般型〉」では最大50万円(賃上げ枠で最大200万円)が補助され、
広告・販促・営業資料の費用に充当できます。
出典:https://r6.jizokukahojokin.info/
実際にあった! 補助金で受注を回復した事例
実際に、八王子市内で次のような成果事例が報告されています。
- 金属加工業 A社:展示会出展で新規顧客4社と成約。売上は前年同月比1.3倍に。
- 電気機器部品製造 B社:動画制作+LP運用により月間問い合わせ数がゼロ→15件に。
- 試作・量産支援 C社:営業資料を刷新し、取引先の7割が単価アップを受容。
「ものを作る」から「売れる仕組みを作る」への転換が、補助金を通じて実現されています。
コンサルタントが見た「勝ち筋」とは?
私たちアップシフト合同会社では、これまで50億円以上の補助金採択を支援してきました。
その中で「受注不安から脱却した会社」に共通していることがあります。
- 価格競争から抜け出す「独自性」の棚卸しができていた
- 営業資料に“価値提案”の言語化ができていた
- 相談できる外部パートナーがいた(第三者視点)
補助金は単なるお金の話ではありません。
「営業スタイルを変える仕組み化」を支援する戦略ツールとして、経営を再設計するチャンスです。
まとめ:補助金は“事業を動かす”営業改革ツール
受注の不安定さに悩む製造業こそ、「営業力の再構築」に踏み出す時期です。
「補助金は“もらう制度”ではなく、“事業を動かす戦略ツール”だ。」
この考え方が、次の5年を支える営業基盤を生み出します。
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