八王子 製造業 補助金コンサルタント 古い図面のデジタル化 どこまで使える？

「昔の紙図面が見づらい」「CADで管理したいが手間がかかる」──
図面のデジタル化は、製造現場にとって避けては通れない課題です。特に八王子の製造業では、昭和期から蓄積された図面が多く、現場作業や後継者への引継ぎの障害になっていることもしばしば。
今回は、図面のスキャンやCAD化に補助金がどこまで使えるのかを、実例とともに解説します。

図面のデジタル化が求められる背景と課題

多くの中小製造業では、図面が未だ紙のままで保管されているケースが多く見られます。劣化や紛失、閲覧性の悪さ、複製コストなどが問題になり、DXや品質管理の妨げとなっています。

また、ベテラン社員が引退を迎える今、「どこに何があるかわからない」「現場が属人的にしか図面を使えない」といった悩みも深刻です。

補助金で“図面のデジタル化”はどこまで対象になる？

図面のスキャン（PDF化）、DWG等への変換、図面管理システムの導入、クラウド化に関わる費用は、次のような制度で補助対象となる可能性があります。

1. ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金

• 通称：ものづくり補助金

• 所管：中小企業庁／全国中小企業団体中央会

• 補助対象：設備導入、システム開発、業務プロセス改善 等

• 公式ページ：
  https://portal.monodukuri-hojo.jp/

2. IT導入補助金（デジタル化基盤導入類型／セキュリティ対策推進枠）

• 正式名称：サービス等生産性向上IT導入支援事業

• 所管：独立行政法人 中小企業基盤整備機構

• 補助対象：クラウドサービス（図面管理／電子帳簿等）・ITツール・セキュリティ対策 等

• 公式ページ：
  https://www.it-hojo.jp/

業務改善の一環としてデジタル設備・ソフトウェア導入を行う場合、導入費・外注費・人件費も含めて補助対象になります。

活用事例｜紙図面→クラウドCADで作業効率2倍に

【八王子市／金属加工業】では、過去20年間の図面約2,000枚をスキャン・CAD変換し、図面管理クラウドへ移行。
これにより、「探す時間の短縮」「再製造時の作図ミス削減」が実現し、製造リードタイムが平均で20％短縮されました。

補助制度：ものづくり補助金（2025年／通常枠）

補助額：750万円（補助率2/3）

専門家視点でのアドバイス｜採択率を上げるには

• ✅ 単なる「スキャン」ではなく、「業務改善の明確なKPI（例：図面探索時間50%削減）」を記載
• ✅ 経営課題として「属人性」「後継者不足」「品質トラブル」の解決とセットで記述
• ✅ クラウド・CAD・RPAなど複合活用による業務DX提案が効果的

まとめ｜図面のデジタル化は“将来への保険”でもある

図面のデジタル化は、「今すぐ困っている」以上に「将来の事業継続」にとって極めて重要です。
補助金はこの“改善の最初の一歩”を強力に後押ししてくれます。今のうちに、専門家に相談しながら進めてみてはいかがでしょうか。

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